猫の食事が皮膚の健康に与える影響

2018/09/20
皮膚が正常に機能するためには、複雑な栄養素をバランスよく摂取することが不可欠です。各栄養素が愛猫の皮膚と被毛の健康にどのように貢献しているか、詳しくご説明していきます。
Adult Norwegian Forest Cat standing in a kitchen next to two silver bowls.

皮膚は猫の身体で最も大きな臓器であり、生命を維持するうえで極めて重要ないくつかの機能を果たしています。皮膚は外部刺激から愛猫を守り、保温し、水分の喪失を軽減し脱水状態を防ぎます。そのため、皮膚を健康的に保つことは愛猫の全体的な健康にとって非常に重要です。

猫の皮膚の状態には、さまざまな要素が影響を与えます。それらの要素には、年齢や、品種、遺伝子構成をはじめ、猫の衛生状態や、家の内外において猫が晒される環境条件も含まれます。愛猫の皮膚の健康に極めて大きな影響を与える要素は、食事です。バランスの良い食事から適切な配合の栄養を摂取することができない場合、愛猫の皮膚が健康的かつ効果的に機能できる可能性は低くなります。

猫の皮膚の健康を保つには何が必要ですか?

猫の皮膚は3つの層から成っており、被毛には3つの異なる種類があります。それぞれが独自の機能を持っており、それらが効果的に働くには異なる栄養素が供給される必要があります。愛猫の皮膚と被毛の健康をサポートするには、タンパク質はもとより特定のミネラルの配合にいたるまで、猫が必要とする栄養素をバランス良く含むフードを給与しなければなりません。

猫の皮膚の健康とタンパク質

タンパク質は、皮膚細胞の再生と、タンパク質の一種であるケラチンを主成分とする毛の健やかな成長にとって不可欠です。皮膚細胞は常に増殖・再生しているため、皮膚は猫が1日に摂取するタンパク質の最大30%という大量のタンパク質を消費します。愛猫の食事に適切な量のタンパク質が含まれていない場合、毛が細くなったりもろくなったりして、バリア機能としての役割が弱まります。

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必須脂肪酸と猫の皮膚

猫が必要とするもうひとつの重要な栄養素は、必須脂肪酸です。これには、オメガ3(特にEPAとDHA)とオメガ6が含まれます。これらはすべて、猫の肌を健康に保ち、健やかな被毛の育成に役立ちます。猫はいくつかの必須脂肪酸を体内で合成することができないため、食事からそれらを取り込む必要があります。これらの重要な栄養素が不足すると、艶のないくすんだ被毛になったり、うろこ状の斑ができたり、皮膚から水分を喪失したりすることがあります。

ビタミンが愛猫の皮膚に与える影響

皮膚と被毛の機能を正常に保つには、さまざまなビタミンを摂取する必要があります。ビタミンB群が脂肪・タンパク質・炭水化物の代謝を促進するのに対し、ビタミンAは細胞の成長を調整するのに役立ちます。自然の抗酸化物質であるビタミンEは猫の皮膚の免疫システムをサポートし、ビオチンは皮膚を健康に保つうえで重要な役割を果たします。これらのビタミンが不足すると、毛が抜けたりパサパサになったりするほか、皮膚がうろこ状になったり、被毛の主成分であるケラチンの生成に問題が生じることもあります。

猫の皮膚とミネラル

健康的な皮膚と被毛を保つうえで重要なミネラルは2種類あります。1つ目は亜鉛です。亜鉛にはざまざまな役割があり、猫の体内にあるすべての細胞が正常に機能するうえで無くてはならない栄養素です。2つ目は銅で、被毛の育成と色素の生成に必要です。愛猫の食事に十分な量の亜鉛や銅が含まれていない場合、被毛の質や色が悪くなり、毛の伸びも遅くなります。

皮膚の健康には遺伝的要素も大きく絡んでいますが、猫が必要とするすべての栄養素をバランスよく含む適切な食事を選ぶことにより、健康で張りのある皮膚と被毛の育成をサポートすることができます。

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