複数の研究により、先進国では5匹中少なくとも1匹の犬が肥満であることが判明しています。犬が肥満になりやすいと、糖尿病や心血管疾患、関節炎、その他の多数の慢性的な症状のリスクが高まる場合があります。したがって、愛犬の体重を監視し、太り気味である可能性に気づくことは、犬が体調不良に悩まされないために非常に重要です。
愛犬が太り気味である可能性はどの程度ありますか？
犬の体重が増えて肥満になる要因にはいくつかあります。たとえば、ラブラドール レトリバーなどの一部の品種は他の品種よりも体重が増える可能性が高く、非常に小型の品種ではとくにリスクが高まります。
メスは体重が増える可能性が高く、犬が肥満になる頻度は年齢が上がるにつれて高くなります。子犬時代に肥満や太り気味だった犬は、やせていたり適正な体重だったりした犬に比べ、肥満した成犬になる可能性が高まります。
去勢されている場合、去勢手術によって生じるホルモンの変化のため、未去勢の犬に比べて体重が増える可能性が2倍になります。犬のライフスタイルも要因のひとつです。室内で多くの時間を過ごしたり、人間の食べ残しを与えられていたり、子犬時代に社会化されていない場合、体重増加につながる可能性がある食べ物に触れることが多くなります。
愛犬が太り気味であるかどうかはどうすればわかりますか？
愛犬が太り気味であるかどうかを理解することは予防の第一歩です。定期的に体重を量り、体重を記録し、獣医師のところで健康診断を受けることで、生涯にわたる体重の増減をより明確に把握できます。
獣医師は、性別、品種、年齢に基づく愛犬の理想的な体重を教えてくれるでしょう。愛犬の体重が理想体重より15％～20％多い場合、肥満と判断されます。例えば、理想体重が50kgの犬は、体重が60kgであれば肥満と見なされます。
犬が太り気味または肥満であるかどうかを調べるために家でできる簡単なテストは、毛の上から肋骨を感じられるか試してみることです。肋骨を感じられるけれども骨が突き出していなければ、適正な体重です。肋骨を全く感じることができないならば、太り気味です。
太り気味の犬はどのような行動を取りますか？
犬の行動の変化から太り気味であると気づく場合があります。例えば、遊びや身体活動を行う際の努力があまり見られないなど、犬が無気力でエネルギー不足であるかもしれません。犬を散歩に連れて行くと、すぐに息切れを起こしたり、痛みや疲れのために歩行を完全にやめてしまったりする場合すらあります。もちろん、体のサイズが目に見えて大きくなるのにも気づきます。
食べ過ぎたり、人間の食べ残しをねだったり、トリーツを求めてクンクン鳴いたり、食事時に飼い主に対して攻撃的になったりと、食べ物にまつわる特定の問題行動が現れるかもしれません。愛犬の減量計画を立てるとき、獣医師は普段の食事の与え方や何を与えているかについて質問するでしょう。スナックや残飯を与えたり、トリーツを与えすぎたりするなど、ペットオーナーが知らず知らずのうちに犬を太らせていることもあるので、獣医師の質問には正直に答えることが重要です。
肥満や太り気味であることは現実的で差し迫った問題ですが、適切な食事と行動で対処できます。獣医師による定期健診を受けて体重を監視すると共に、肥満を示す行動に気づいたら獣医師に相談しましょう。
